中間管理録 トネガワ ネタバレ と レビュー

「月刊ヤングマガジン」連載 「中間管理録トネガワ」【原作:萩原天晴・漫画:橋本智広、三好智樹・協力:福本伸行】レビュー(ネタバレ含む)

福本伸行特別読み切り「王座」

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師走

 寒いと不満を漏らす兵藤会長にダウンでも着ればどうか、と提案する利根川。和服のアイデンティティを捨て、折れろと言うのか?と怒られ「ちゃんちゃんこ」と、言い直す。

自家用

そんな利根川を気にも止めずに兵藤会長は、ハワイに行くと言う。そう言う事であれば直ぐに自家用ジェットを手配しますと言う利根川にヒソヒソと耳打ちする黒服。

モルディブ

自家用ジェットが兵藤会長の息子、和也が同級生を連れてモルディブに使用中である事を告げる利根川。息子にもそんな仲間が居たか、と暫し感慨に耽った兵藤。

大衆機

そう言う事なら仕方ないと、あっさり大衆機を手配するよう利根川に指示する兵藤、ただし「キング」だ、と付け足す。

キング

エコノミー、ビジネス、ファーストの上にあるという「キング」クラス。旅客機の居住空間の1/4を占めるというプライベート空間には、キングサイズベッド、ジェットバス、ビリヤード、卓球台、打ちっ放しまで用意されているという。座席から操縦席を監視できる覗き窓が用意され、キング自ら安全を確認できるという至れり尽くせりのシステム。

至宝

操縦席から機長と服操縦士が直々に挨拶に訪れる。自らを「航空会社の至宝」と名乗る機長に続いて紹介された服操縦士の、見るからに頼り無い態度に不安を覚える兵藤。

「あれ」

そんな兵藤に服操縦士の優秀さを説明し、「航空会社の至宝」である自分が居れば大丈夫、何よりも兵藤会長の座る席には「あれ」がある、と言う機長の説明に納得する兵藤。

 緊張

フライト以上の緊張を強いられる挨拶を終えた機長と服操縦士達により飛行機は無事にテイクオフ。兵藤会長は早々にワイン風呂を堪能し、マグロの解体ショー、にぎり鮨、和洋中の高級食材料理のオンパレードを楽しむ。感動する部下の山崎と荻野を、優しい眼差しで見ながら若い頃の自分を思い出す利根川。

我慢

その頃、現代の奴隷船エコノミークラスで うごめく民衆。せまいけどハワイまで我慢。我慢しながら並ぶトイレ、家族連れのハワイ旅行なんて自分もエグゼクティブまで来たと思いつつ血栓予防の足踏み等々…

エグゼクティブ

一方、本物のエグゼクティブ兵藤会長は、CAと共にツイスターゲームに興じる。そんな上機嫌兵藤の和やかな時間が破られたのは、フライト開始から3時間後だった。覗き窓から操縦席に機長が居ないことに気付いた兵藤。そして機長がキングクラス常駐の医者に手当てを受けている姿を目にする。

服操縦士

機長不在となると、オートパイロットに任せられない離着陸は、服操縦士が代行するしかないと 、操縦席に目をやる利根川達。しかしその服操縦士までもが、座席からずり落ちていく。服操縦士が気絶してしまった、と大騒ぎになるキングクラス。

安穏

そんな事とはつゆ知らず、惰眠、妄想、安穏を貪るエコノミークラスの民衆達。真実を知るのはいつの時代も支配者階級の人間達の後になる。しかしそれ故にこの状況下で、ビーフが良いだのチキンしか無いだの、最後の一個のビーフがあっただの、と小さな幸せを感じながら過ごせる。

決断

一方、阿鼻叫喚のキングクラス、兵藤会長が下す決断。操縦士が居なくなったこの機はいずれ墜ちる、ならば王は脱出する。キングクラスのキングシートは、緊急時に離脱出来るようになっている。

人選

キングシートの定員は2名、兵藤会長と、あと1人。利根川、山崎、荻野。この中で兵藤に選ばれるのは誰か。利根川は予想していた、山崎と荻野には悪いが会長が選ぶのは自分だろう、と。

年寄り

兵藤会長が下した人選は「アゴ」、すなわち山崎だった。何故自分を選ばないのかと兵藤に詰め寄る利根川。答える兵藤「オマエは年寄りだから。サバイバルには若い力が必要」

離脱

兵藤にヘルメットを着けさせ、脱出準備を完了させた山崎。2人でキングシートに座り、兵藤は離脱ボタンを押す。機体下部が開き、二人が座るキングシートは無事に離脱した。

緊張

兵藤会長と山崎の離脱後、悲嘆に暮れる残された利根川達。しかし利根川が気付く、操縦席に服操縦士が居る事に。気絶して座席からずり落ちたと思っていた服操縦士、実は機長不在の緊張から唇が乾き、取り出したリップクリームを焦って床に落としただけであった。

単なる勘違いで有ることが判明し、「早まった」と悔やむ利根川。会長の迅速な決断と行動力が結果的に仇となった。

GPS

離脱後、無事に海上に着水し、漂流する兵藤会長と山崎。サバイバルバッグの中の水と食糧を確認しようとする山崎に兵藤会長が声をかける、「コーヒープリーズ」。此処は機内ではなく、言うなら遭難中だと説明する山崎に苛立ち、ヘルメットを「これ、ウザイ」と言って海に投げ捨てる兵藤会長。命の次に大切なGPS内臓ヘルメットを失う2人。

強運

もうだめだと絶望する山崎、居眠りを始める兵藤。しかしその3時間後に、兵藤会長が懇意にしているパナマのタンカー船と遭遇し、無事に救助される。つまり、強運兵藤会長にはGPSなど不要、何があっても生き残る事を証明した。

無事

一方機内 、ハワイまで気を気をもみ続ける利根川達、復活した機長。めでたしめでたし。

 

特別読み切り「王座」のレビュー

本家、福本伸行描きおろし特別読みきりの「王座」。兵藤会長の王様ぶりを余すところ無く伝えている。キングクラスの豪華さとエコノミークラスの対比が可笑しい。本家ならではの切り口で描かれる独特の世界観が印象に残る。年寄りと言う理由で外される利根川の姿に、自分の姿を投影してしまうのは私だけだろうか?

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